top of page
  • vfsonoda

家族信託に必要な税理士報酬や費用相場を徹底解説!

更新日:2020年4月8日



家族信託は、親族が認知症などで財産を動かすことができなくなったり、口座が事実上凍結してしまったりすることを回避できる方法です。家族信託を利用するためには、どのくらい費用がかかるのでしょうか。

ここでは、家族信託に必要な費用の相場や、家族信託についてサポートを受けた方がよいといわれる税理士へ依頼した場合の報酬などについてわかりやすく解説していきます。


家族信託とは

まずは、家族信託とはどのような方法なのかを解説します。


生前に家族へ財産管理の権利を渡す方法

家族信託とは、自宅や不動産、預貯金などの財産について、本来所有者が持っている管理運用の権限を他の家族へ託す方法のことです。

近年、高齢化によって財産を所有している家族が認知症になるなどして、本人名義の不動産や銀行口座を動かすことができなくなる問題が増えてきています。

遺言は本人が生存中は効力を発揮できないというデメリットがあり、生前贈与は受け取った側に贈与税や不動産取得税などがかかってしまうのがデメリットと言えます。

家族信託では、こうした従来の財産管理におけるデメリットを解消し、財産の所有者が生存中でも家族による管理が可能となる方法です。


家族信託の仕組み

家族信託では「委託者」、「受託者」、「受益者」という3つの当事者によって成り立ち、それぞれの主な役割は以下のようになります。


・委託者:財産を所有している人

・受託者:財産管理の権限を委託される人

・受益者:財産によって発生する利益を受け取る人


家族信託では、委託者が受益者となったり、一定条件下で受託者が受益者となったりすることも可能です。

また、信託銀行などがおこなう通常の信託業務とはことなり、家族内での信託であることから、信託業法の制約も受けることなくおこなえるようになっています。

家族信託のメリット

上記のような仕組みから、家族信託ではこれまで難しかった家族間での財産管理についてさまざまなメリットがあります。

たとえば、家族信託後に自宅を所有している親が認知症となり施設へ入所した場合、空き家となった自宅について、受託者となった子が売却か、賃貸か等の処分方法を決めることができます。

委託者である親を受益者とすれば、自宅を売却することを受託者である子が実行でき、自宅を売却した代金は親が受け取る財産となります。また、自宅療養する場合には、自宅を管理する権利だけを受託者である子に移し、親は引き続き自宅に住み続けることもできます。

また、受託者になってもらう家族がいない場合には、家族以外の第三者を受託者とすることも可能で、受託者を複数設定したり、受託者を法人にしたりすることもできます。

受託者を法人に設定する場合には、信託業法へ抵触しない形にする必要があるため、専門家からのアドバイスなどをもとに進めるのが望ましいですが、家族や財産の状況に合わせて、柔軟な信託ができる点が家族信託の最大のメリットであるといえるでしょう。


家族信託に必要な費用

次に、家族信託にかかる費用について解説していきます。


信託契約書を公正証書にする費用

家族信託の契約内容については、特に公正証書とする決まりはないため、自身で作成することもできますが、契約内容を公的に証明できることと、改ざんや紛失を防ぐ目的で公正証書とするのが一般的です。

公正証書にかかる費用は信託する財産の価額によってことなり、以下のようになっています。

100万円まで:5,000円

200万円まで:7,000円

500万円まで:11,000円

1,000万円まで:17,000円

3,000万円まで:23,000円

5,000万円まで:29,000円

1億円まで:43,000円

以降は5,000万円を超えるごとに3億円までは13,000円ずつ、3億円から10億円までは11,000円ずつ、10億円以上は8,000円ずつ加算されます。


このほか、確定日付や執行文の付与、公正証書交付・送達などに250円~1,700円の手数料がかかります。

財産に不動産が含まれる場合

信託する財産に不動産が含まれる場合には、以下の費用も必要となります。

・登録免許税

不動産を信託する場合には、登録免許税がかかります。登録免許税の税率は土地と建物のそれぞれに課税され、固定資産評価額の0.4%となりますが、土地については2021年3月まで0.3%となる軽減措置が取られています。

なお、所有権移転分の登録免許税は非課税となります。


・固定資産税

不動産にかかる固定資産税は受託者に支払い義務がありますが、信託している不動産については委託者または受益者の財産から管理費用として支払えることを定めることができます。

専門家へ手続きを依頼した場合の報酬

上記の手続きについて、司法書士や弁護士、税理士などへ依頼した場合には報酬が発生します。

・不動産の登記を司法書士へ依頼した場合、不動産の件数や評価額によってもことなりますが、およそ10~20万円前後の報酬が相場となっています。

・税理士や弁護士へ依頼した場合、財産額の0.1~1%程度の報酬が相場となりますが、最低でも30万円以上は見ておくとよいでしょう。

一般的な家庭の家族信託の場合、上記のすべての費用を含めて50~100万円程度が相場となっているようです。


家族信託を税理士へ依頼した方がよい理由

家族信託は契約内容の自由度が高くメリットも大きい一方で、相続や信託に関する知識を必要とするため、専門家のコンサルティングが欠かせません。

弁護士や司法書士など数ある専門家の中で、家族信託について税理士へ相談するメリットについて解説します。


税金のプロならではの節税対策が取れる

不動産の登記変更だけなら司法書士へ依頼すれば、報酬にかかる費用は抑えることが可能です。家族間でトラブルが発生している場合も、弁護士へ依頼することにより早期に問題が解決できるケースもあるでしょう。

しかし、家族信託や将来的な相続については、節税の知識がないと多額の課税が発生する可能性があり、この点においては税金のプロである税理士へ相談しないとわからないこともあります。

家族信託の契約を決める際にも、不動産の処分を検討する際にも、家族間で揉める原因にはお金が絡むことが多いものです。

相談の段階から将来的な税金対策も念頭に置いて家族信託を考えるなら、はじめの入り口を税理士に依頼した方がトータルで費用を抑えられる可能性が高いでしょう。


家族信託には豊富な知識と親身に相談に乗ってもらえる税理士を見つけることが大切

家族信託は2007年の改正信託法によって利用できるようになった比較的新しい仕組みのため、あまり取り扱ったことのない税理士事務所や会計事務所もあります。

家族信託や相続税に関する知識は、豊富な実績を持った税理士が在籍している士業事務所でないと、適切な節税対策ができないこともあるのです。

また、家族信託は家族の数だけケースは多様となるため、丁寧に親身になって相談に乗ってもらえるかどうかも重要です。

上記の条件を満たす税理士事務所を見つけるためには

・家族信託の豊富な実績

・ケースに応じて司法書士や弁護士との連携が可能

・1つ1つの事案に丁寧に相談に乗ってくれる

・料金がわかりやすい

といったポイントを参考に選んでみるとよいでしょう。


家族信託では、財産を持っている親族が認知症になる前に、財産の管理運用を家族へ託せる新しい仕組みです。専門家へ家族信託を依頼した場合の平均的な費用相場を参考にして、将来的な節税を見越して対策を取れる信頼できる税理士へ依頼するとよいでしょう。

熊本家族信託・認知症相談室では、豊富な実績と地元ならではの不動産事情に詳しい税理士が、家族ごとのお悩みに耳を傾け、最適なプランをご提案いたします。毎月案件を絞って丁寧に対応していますので、ぜひ一度無料相談をお申し込みください。

bottom of page