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  • 執筆者の写真園田剛士

家族信託の活用ケースNO.1

更新日:2019年9月9日

相談者:45歳男性


A(45歳)さんの母Bさん(80歳)は地方の実家で一人暮らしをしています。


実家不動産は父から相続を受けたもので、今はBさんの単独名義です。


Aさんは、Bさんをそろそろ介護施設に入所させたいと考えており、入所費用等は、実家不動産を売却して充てたいと考えています。しかし、実家不動産がただちに売却できる保証はなく、売却前にBさんが認知症になってしまうことを懸念しています。



家族信託を利用しない場合



Bさん所有の実家をAさんに生前贈与する


①相続時精算課税制度を使えば当面の贈与税負担はゼロだがAさんには不動産取得税と登録免許税が課される


②贈与後に売却できてもAさんの自宅ではないので通常の譲渡所得税が課される(3,000万円特別控除が使えない)


③相続発生の際、小規模宅地の特例が使えない



入所費用は一旦Aさんが立て替えて、将来、実家売却代金で補填する


①Bさんの成年後見人はBさんが存命中、実家売却を認めない(実家売却には家庭裁判所の許可が必要)


②実家売却はBさんの死亡後となり、その間、Aさんは立て替え金を負担し続けなければいけない



家族信託を利用した場合



Bさん委託者兼当初受益者、Aさんを受託者とし、信託財産を自宅不動産と若干の金銭とする家族信託契約を締結する


①家族信託設定時の課税は登録免許税(通常移転の約1/5)のみで、不動産取得税および譲渡所得税は一切発生しない


②Bさんが認知症になっても、Aさんが受託者の権限で自宅不動産を売却し、金銭信託に変換することが可能


③信託財産の売却はBさんに対する課税となるので、居住用不動産の売却として、3,000万円特別控除の特例を使うことができる


④相続が発生した場合、Bさんの相続として相続税が計算されるので、小規模宅地等の特例が使える


⑤相続の際、遺言執行や遺産分割協議等が一切不要で、即時に二次受益者に受益権が移動する


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